「テグメンタ」と「ストリアツム」
既に読んだ方もいると思いますが、ダビンチの最新号に、歌人と科学者(だったか?)のトークが載っていた。ちょっと、面白かったので、簡単に紹介したいと思います。
「恋は盲目」
人の脳には「テグメンタ」という部位があり、快感を生み出す場所とのこと。左右2箇所あり、右側は恋愛時に活性化、左側はおばさんが「ヨン様」というような感情を持つ際に活性化する。(ン?違いがいまいち分からんが)
なお、酒・たばこに伴う快感にも関係しており、テグメンタがある限り、やめられないそうな。しかも理由は説明できない。理屈で「体に悪いから、周りに迷惑だから」といっても、絶対に納得しないのである。
「あんなに好きだったのに、突然きらいになる」
人の脳には「ストリアツム」という部位があり、意識には上がってこないが、ちゃんと理由があって、感情を左右する情報が蓄積される場所とのこと。そして、ある閾値を超えるとワーッと意識化するという。いわば、好悪、喜怒哀楽といった感情を内的に自動計算し、突然噴出するといったイメージか。
たとえば、好きで付き合っていたのに、いろんな事態の蓄積で(たぶん「なんとなくやだな」という感情が無意識にチリがつもるようにだんだんと満ちるイメージ)閾値を超えたとたんに大きらいになって別れるとか。しかも理由を説明できないという。。
これは、自転車練習でなかなか上手くいかなかったのに、あるとき、突然乗れるようになることも同じだそうです。
わたしは、唯物論者というわけではないのですが、脳の生理的物理的機能が、まずは一義的に人の無意識層に影響をあたえているという事実にはなはだ興味があるわけです。
ある意味、直感とか勘(シックス・センス=第六感、直観)といった理屈抜きのダイレクトアプローチの例証ともいえるわけですね。
あと、面白かったのは、はしょってますが、以下の通りです。
・「ときめき」から「やすらぎ」への価値転換が必要。
たとえ、どんなに、絶世の美女と大恋愛しても、3ヶ月で薄れるのが脳機能だそうな。長続きの秘訣は「やすらぎ」への価値転換をいかに図るかがカギ。
これって、老若を問わずあらゆるカップルへの教訓ですねえ。
(ああ、諸行無常、諸法無我・・)
・通常の恋愛は、人対人のコミュニケーション。片想いは脳内自己完結型コミュニケーション。片想いって、相手に迷惑をかけずに、自己満足に浸れ、意外に長続きするらしい。
(思い余って、ストーカー化するなかれ)
獅子鷹
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