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無意識の音楽

週末に、所属するオーケストラで「オーケストラワークショップ」という催しがありました。これは地域の文化活性化への貢献を目指して、熊谷市近隣の小中学生のプレイヤーと所属オケのメンバーが一体となって協力し、短期間で(たった4回の練習!!)オケの名曲演奏に挑戦し、成果を発表するというもので、今回で5回目の試みで、着実に定着化しているようです。

今回のプログラムは以下の通りでした。

第一部

ワーグナー「ニュルンベルグのマイスタージンガー」より前奏曲

ビゼー「アルルの女」第一組曲より前奏曲、メヌエット 第二組曲よりファランドール

第二部

ドヴォルザーク「スラヴ舞曲第8番」

チャイコフスキー「白鳥の湖」より情景、終曲

「まだ大人の音楽には慣れていないが、純真でひたむきな小中学生」と「経験だけがたより?のよく言えば多士済々、悪く言えば烏合の衆?たるオケメン」のインテグレーションをする指揮者も大変といえば大変。おかげで、2回の振り間違いをする始末。。とはいえ、なんとか破綻なく、「本番だけに強い」伝統も生きていたみたいでした。(なんのこっちゃ)

「破綻なく終わった」といいましたが、じつはそう言い切れないところがあります。

というのも、ステリハで一つの「事件」がありました。「アルルの女」第2組曲の終曲「ファランドール」はご存知のように出だしこそは統一テーマが結構ゆったりと全奏されますが、途中からAllegro vivo e decicoの四分のニ拍子でppppのTambの刻みから始まってffffの大合奏にいたるまで、延々と熱狂が拡大していき、最後は「手の舞い足の踏むところを知らず」状態で終わるというもの。実はこの間にビゼーのアッチェルランド指示は一つもありません。。にもかかわらず、たいていの演奏は自然と前のめりになるのですね。これ、「無意識」で「自然」ですね。

事件は起きました。全奏がffffに達してまもなく、満を持して中学生の大太鼓の拍打ちが加わります。「ドン」「ドン」どんどん・・。思わず指揮者は演奏を止めます。明らかに従前より速いテンポで一人旅になってしまったのです。指揮者曰く「もしあなたが皆を困らせようとしてたたくならそれでもいいです。そうでなければ、きちんと意識してテンポを刻んで」

本番を前にした昼食時、指揮者と話しました。

私「あれは無意識になってしまうんでしょうね。」

指揮者「無意識はいいんだけど、まずは「意識的」にテンポを把握してからの無意識でないとね。」

そして本番。やはりスイッチが入ってしまったようです。ステリハ以上に速いテンポで、管楽器の刻みは空転しかけた。。崩壊か。。そこは年の功。「意識的」にさりげなくぎりぎりのところで崩壊を免れ、むしろ、狂喜乱舞の大熱演となった。。

たぶん、いろんな意味でいい経験になっただろうと思います。

獅子鷹

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