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ワーグナー 歌劇「リエンツィ」序曲

  ドイツ・ロマン派の大御所であるワーグナーですが、音楽家としてのスタートは苦しいものでした。音楽理論や作曲をはじめとする教養はほぼ独学。その師匠はウエーバーのドイツオペラ、ベートーヴェンの交響曲、シェークスピアの戯曲といった具合でした。成人後、三流の指揮者から合唱長・編曲者・写譜者とあらゆる音楽の仕事に悪戦苦闘していました。

  そんなどん底の生活をしていたあるとき、歴史小説「ローマ最後の護民官リエンツィ」を読み、当時のオペラ界を席捲していたグランド・オペラ様式の格好の素材になると直感し、1838年に台本スケッチに着手。2年後のパリ時代に完成したワーグナー最初のオペラが「リエンツィ」です。

 1842年のドレスデン宮廷劇場での初演は大成功。彼が本格的なオペラ作曲家として踏み出した作品です。

 内容は、14世紀ローマで、横暴を極めた貴族に対抗して共和政治を打ち立てたリエンツィの悲劇的物語を描いています。しかし、オペラとしてはあまりにも長大で、今日、上演されることはほとんどありません。唯一序曲はその劇的効果などから(破天荒なオーケストレーションですが・・)頻繁に演奏されます。

 序曲はリエンツィが、民衆に革命を呼びかける荘厳なトランペットの奏出から始まります。次にリエンツィの祈祷歌「全能の天よ、護りたまえ」が奏され、主部に入ります。リエンツィの雄叫び「聖なる魂の騎士」、彼の妹とその恋人の二重唱「慈悲への感謝の歌」が、主題として用いられ華やかに展開されて、ほとんど破滅的な盛り上がりとなって終わります。

                                                       獅子鷹

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